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25kg未満限定解除教習をAUTC本部で開始

~物流ドローン「DJI FlyCart 30」導入~

2025年8月より、AUTC本部にてDJI FlyCart 30によるマルチローター国家資格(一等・二等)操縦士25kg未満限定解除コースを開始いたします。

DJI FlyCart 30は物流用途に特化した産業用ドローンであり、AUTC本部では物流分野が今後の主流になると考え、この機体の導入を決定し登録講習機関として変更登録申請が完了しました。

 

物流ドローンは非常に現実的な産業パイロットへのツール

産業ドローンパイロットが活躍できる分野には、「空撮」「点検」「測量」「農薬散布」などがあります。しかし、これらの分野では操縦技術や国家ライセンスの取得だけでは不十分で、専門的な知識や技術が求められます。

例えば:

  • 空撮:撮影センスや映像編集スキル能力
  • 点検:点検対象構造物の基礎知識や画像解析能力
  • 測量:測量座標に関する知識や解析ソフトの操作スキル能力
  • 農薬散布:薬剤の知識と扱い方      など。。。

これに対し「物流」は、物を目的地へ運ぶことが主な作業であり、他分野に比べてシンプルで分かりやすい業務といえます。

「物流」は身近な仕事

「物流」と聞くと宅配便などを思い浮かべるかもしれませんが、ダンプカーやミキサー車なども建設資材を運ぶ物流の一部です。

  • ダンプカー:土砂を運搬
  • ミキサー車:生コンクリートを運搬


       

これらのドライバーは、資材の専門知識がなくても「目的地に届ける」ことで業務が成立します。資材がなければ建設工事は進められないため、物流の役割は極めて重要です。

また、現場によってはクレーンを設置できない場合も多く、人力での運搬(いわゆる「人肩運搬」)に頼るケースもあります。こうした現場でドローンを使うことで、作業員の安全向上・作業効率の向上・労働負担の軽減・コスト削減が見込まれます。

ドローンを活用すれば、これまで人が担いで運んでいた(人肩運搬)荷物の輸送が可能になります。
特に、地形的にクレーンやヘリコプターの使用が難しい現場や、コストの制約がある現場において、安全かつ効率的な運搬手段として高い効果が期待されます。

また、DJI FlyCart 30にはホイスト機能(DJI社表記:ウインチ)が搭載されており、ドローンを着陸させずに荷下ろしを行うことも可能です。これにより、狭小地や障害物の多い現場でも、柔軟な運搬作業を実現します。

世界最高峰エベレストでの物流配送テスト映像は以下となります、エベレストのゴミ汚染対策に役立ちました。
📹 DJI FlyCart 30 運搬デモ映像


DJI FlyCart 30の特長

  • 最大積載量:30kg(最大離陸重量95kg)
  • ホイスト機能(ウインチ)搭載により、非着陸状態での荷下ろしが可能
  • 地形やコストの制約がある現場でも安全・効率的な運搬を実現
  • 最大航続距離28km(デュアルバッテリーモード)・12km(シングルバッテリーモード)
  • 動作環境温度:-20℃~45℃
  • 保護等級:IP55

詳しくはこちら:
👉 DJI FlyCart 30 公式サイト

国家資格と連携した最先端教育

 AUTC本部ではDJI DeliveryHubを活用した運用技術も併せて指導予定です。この仕組みは、スペースX社の衛星インターネット「Starlink」を用いた、手法も合わせて学び地球上のどこでも対応する物流スキルを身に着けることが可能です。通常のインターネット回線は最寄りの基地局から電波でつながっているんですが、この「Starlink」は宇宙にある衛星から電波を受けて地上のアンテナでキャッチして使用します。

Starlinkを活用するメリット

Starlinkは、スペースX社が提供する衛星インターネットサービスで、地上のインフラに依存せず高速通信が可能なため、以下のようなシーンで特に大きなメリットがあります。

① 山奥や離島など、通信インフラが整っていないエリア

山間部や離島など、通常のモバイル回線や光回線が届かない場所でも、Starlinkであれば衛星通信によって安定したネット接続が可能です。

② キャンプやアウトドアなど、一時的にネット環境が必要な場所

キャンプ場やイベント会場など、インターネット環境が整備されていない場所でも、Starlinkアンテナがあればすぐに通信が可能です。

③ 災害時など、緊急時の通信手段として活用

地震や豪雨などの災害で地上の通信インフラが使えなくなっても、Starlinkは専用アンテナを設置するだけで即座に使用可能。災害対応や救援活動において、非常に心強い通信手段です。

さらに、通信速度が速く、低遅延という特徴もあり、リアルタイムでのドローン操作や映像伝送にも適しています。ドローン物流の現場や、遠隔地での業務にも非常に相性が良い通信ソリューションです。

補足:Starlinkの実際の通信性能(参考値)

  • 通信速度:100〜250Mbps(地域により変動)
  • 遅延:20〜40ms前後(ライブ配信や制御に十分対応可能)
  • アンテナ設置:自動追尾型で設置も簡単(電源さえあれば可)

まとめ

 AUTC本部が提供する教習では、「25kg未満限定解除」の取得に加えて、物流ドローンの最前線で活躍するための知識と技術を同時に学ぶことができます。
「ドローンを仕事にしたい」と考える方にとって、これは最も現実的かつ将来性のある講習です。ペイロード(搭載物)を搭載した時に25kgを超える機体でも国は講習を認めているのですが、この機体はバッテリー非搭載時でも42.5kgなので本当の意味での講習となります。農薬散布機にて講習を受けても実務直結とは言えず、自動航行システムも衛星通信を利用するので実務にした場合に非常に役立つと言えます。

また、今回ご紹介するStarlinkサービスは、日本国内のいわゆる「3大キャリア(ドコモ・au・ソフトバンク)」の提供する通信サービスではなく、アメリカのスペースX社と直接契約する形式となります。日本国内だけの運用ではなくまさに世界で運用する物流ドローンスキルを身に着けられる内容となっています。

利用可能な国や地域については、以下の公式マップで確認できます:
👉 Starlinkサービス提供エリアマップ

25kg未満限定解除教習は一等技能資格・二等技能資格も55,000円で実地講習時間5時間で実施します。他団体で基本を取得の受講生はこの金額に加えて11,000円のAUTC入学金をお支払いいただきます。DJI DeliveryHubを活用した運用技術の学びは一等技能資格・二等技能資格ともに「目視内限定解除」の限定解除技能資格をお持ちのおかたのみの受講とさせていただきます。